第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化等により離職を余儀なくされる船員の数が増大していること等の状況にかんがみ、船員の雇用の促進に関し必要な措置を講ずることにより、船員の職業及び生活の安定に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において船員とは、船員職業安定法第六条第一項に規定する船員をいう。
第二章 就職促進給付金
(就職促進給付金)
第三条 政府は、他の法令の規定に基づき支給するものを除くほか、海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化等による事業の規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされた船員であつて再び船員となろうとするもののうち政令で定める者の就職を容易にし、及び促進するため、求職者又は事業主に対して、次に掲げる給付金(以下就職促進給付金という。)を支給することができる。
一 求職者の求職活動の促進とその生活の安定とを図るための給付金
二 求職者の知識及び技能の習得を容易にするための給付金
三 就職又は知識若しくは技能の習得をするための移転に要する費用に充てるための給付金
四 前三号に掲げる給付金以外の給付金であつて、政令で定めるもの
2 就職促進給付金の支給に関し必要な基準は、国土交通省令で定める。
3 前項の基準の作成及びその運用に当たつては、他の法令の規定に基づき支給する給付金でこれに類するものとの関連を十分に参酌し、船員の就職が促進されるように配慮しなければならない。
(譲渡等の禁止)
第四条 就職促進給付金の支給を受けることとなつた者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、事業主に係る当該権利については、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。
(公課の禁止)
第五条 租税その他の公課は、就職促進給付金(事業主に対して支給するものを除く。)を標準として、課することができない。
(報告の徴収)
第六条 地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)は、就職促進給付金の支給を受け、又は受けた者から当該給付金の支給に関し必要な事項について報告を求めることができる。
第三章 船員雇用促進センター
(指定)
第七条 国土交通大臣は、次の各号に掲げる要件を備える者の申請があつた場合において、その者が次条各号に掲げる事業(以下船員雇用促進等事業という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるときは、この章の定めるところにより船員雇用促進等事業を行う者として、指定することができる。
一 申請者が一般社団法人又は一般財団法人であること。
二 申請者が第二十三条第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過していない者でないこと。
三 申請者の役員のうちに、成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないものがないこと。
四 申請者の役員のうちに、禁錮こ以上の刑に処せられ、若しくはこの法律若しくは船員職業安定法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過していない者がないこと。
2 国土交通大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した者(以下船員雇用促進センターという。)の名称、住所及び事務所の所在地を官報で公示しなければならない。
3 船員雇用促進センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
4 国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(船員雇用促進等事業)
第八条 船員雇用促進センターは、船員の雇用の促進等を図るため、次の各号に掲げる事業を行うものとする。
一 船員に係る求人の開拓その他船員の職域の開拓を行うこと。
二 船員職業紹介(船員職業安定法第六条第二項に規定する船員職業紹介をいう。)、船員労務供給(同条第八項に規定する船員労務供給及び同条第十一項に規定する船員派遣をいう。以下同じ。)その他船員の就職の奨励に関する事業を行うこと。
三 船員の知識又は技能の習得及び向上のための訓練(以下技能訓練という。)を行うための施設の設置及び運営並びに事業主その他の者の行う技能訓練の援助を行うこと。
四 前三号に掲げるもののほか、船員の雇用の促進及び安定のために必要な事業を行うこと。
(船員職業紹介事業についての船員職業安定法の適用除外等)
第九条 船員職業安定法第三十三条、第三十四条、第四十一条、第四十三条及び第百二条の規定は、船員雇用促進センターが行う船員職業紹介事業については適用しない。
2 船員職業安定法第七条、第十五条から第十九条まで、第二十条第二項、第二十一条、第九十六条第一項及び第百条の規定は、船員雇用促進センターが行う船員職業紹介事業について準用する。
(船員労務供給事業についての船員職業安定法の適用除外)
第十条 船員職業安定法第五十条、第五十一条、第五十三条から第五十七条まで、第六十六条第一項及び第六項、第六十七条、第六十八条、第七十八条、第八十七条から第九十一条まで並びに第百二条の規定は、船員雇用促進センターが行う船員労務供給事業については適用しない。
(船員労務供給事業の実施に関する基本的事項)
第十一条 船員雇用促進センターが行う船員労務供給事業は、船員労務供給の対象となる船員(以下労務供給船員という。)として船員雇用促進センターが雇用する者について行う。ただし、その雇用する労務供給船員のみによつては船員労務供給契約(船員雇用促進センターが事業主に対し船員労務供給を行うことを約する契約をいう。以下同じ。)に基づく船員労務供給の役務の提供が困難である場合その他の国土交通省令で定める場合においては、労務供給船員となろうとする者として船員雇用促進センターが行う登録を受けた者についても行うことができる。
2 船員雇用促進センターは、次に掲げる基準に適合する者の中から労務供給船員を雇用するものとする。
一 海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化、船舶に係る技術革新等に対処して我が国の海上運送を適正に確保し、又はその健全な発展を促す見地から必要と認められる措置であつて国際航海に従事する日本船舶に係る船員の就業構造の変更その他の政令で定めるものに伴い離職を余儀なくされた者であること。
二 船員雇用促進センターとの雇用関係を基礎としてその職業及び生活の安定のための特別措置を講ずることが適切であると認められる者として国土交通省令で定める要件に該当する者であること。
3 船員雇用促進センターは、船員労務供給契約において船員労務供給の役務に従事する労務供給船員と当該船員労務供給の役務の提供を受ける事業主との間で雇入契約(船員法(昭和二十二年法律第百号)又は同法に相当する外国の法令の適用を受ける雇入契約をいう。)を締結することとされている場合でなければ、船員労務供給を行つてはならない。ただし、同法第一条第一項に規定する船舶以外の船舶であつて国土交通省令で定めるものに係る船員労務供給については、この限りでない。
4 船員雇用促進センターは、船員労務供給を行おうとするときは、あらかじめ、当該船員労務供給の役務に従事することとなる者に対し、その従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
5 船員職業安定法第七条、第十九条、第二十一条、第九十六条及び第百条の規定は、船員雇用促進センターが行う船員労務供給事業について準用する。この場合において、第二十一条第一項中「求職者を紹介してはならないとあるのは船員労務供給(当該同盟罷業、閉出又はけい船の行われる際現に当該船舶につき船員労務供給を行つている場合にあつては、当該船員労務供給及びこれに相当するものを除く。)を行つてはならないと、同条第二項中求職者を無制限に紹介するとあるのは無制限に船員労務供給が行われると、求職者を紹介してはならないとあるのは船員労務供給(当該通報の際現に当該船舶につき船員労務供給を行つている場合にあつては、当該船員労務供給及びこれに相当するものを除く。)を行つてはならないと、求職者を紹介するとあるのは船員労務供給を行うと読み替えるものとする。
6 前各項に規定するもののほか、船員労務供給事業について船員雇用促進センターが遵守すべき事項は、国土交通省令で定める。
(船員労務供給規程)
第十二条 船員雇用促進センターは、次に掲げる事項に関し船員労務供給規程を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 労務供給船員の雇用の手続並びに前条第一項ただし書の登録の要件及び手続に関する事項
二 労務供給船員との間の雇用契約において定める事項
三 前条第一項ただし書の登録を受けた者について当該登録に基づき講ずる措置に関する事項
四 船員労務供給契約において定める事項
五 前各号に掲げるもののほか、船員労務供給事業の実施に関し必要な事項
2 国土交通大臣は、前項の認可をした船員労務供給規程が船員労務供給事業の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、船員雇用促進センターに対し、その船員労務供給規程を変更すべきことを命ずることができる。
(区分経理)
第十三条 船員雇用促進センターは、国土交通省令で定めるところにより、船員労務供給事業に係る経理とその他の事業に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(船員法等の適用に関する特例)
第十四条 船員雇用促進センターとその雇用する労務供給船員との労働関係については、労務供給船員を船員法第二条第二項に規定する予備船員と、船員雇用促進センターを同法第五条第一項の規定により船舶所有者に関する規定の適用を受ける者とみなして、同法第一条第一項、第四条、第三十一条、第三十二条、第三十三条から第三十五条まで、第四十四条の二、第四十四条の三、第五十条第一項及び第四項、第五十二条から第五十四条まで、第五十六条、第五十八条の二、第七章、第八十一条第一項、第八十三条、第八十七条第一項本文及び第二項本文、第十章、第十一章(第九十七条第一項(第四号に係る部分に限る。)第三項及び第四項を除く。)第百一条第一項、第百二条、第百三条、第百五条、第百六条、第百七条(第五項を除く。)第百八条、第百九条、第百十条、第百十二条、第百十三条第一項及び第二項、第百十四条から第百十七条まで、第百十九条、第百十九条の二並びに第百二十一条の二の規定並びに当該規定に基づいて発する命令の規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。この場合において、同法第四十四条の二第一項中第八十七条第一項又は第二項の規定によつて作業に従事しない期間とあるのは第八十七条第一項本文又は第二項本文の規定によつて船員労務供給(船員の雇用の促進に関する特別措置法(以下特別措置法という。)第八条第二号に規定する船員労務供給をいう。以下同じ。)の役務に従事しない期間と、同法第五十三条第二項中これを毎月とあるのは船舶所有者が雇用契約に基づきこれを支払うべきこととされている期間において毎月と、同法第七十四条第一項、第二項及び第四項中同一の事業に属する船舶」とあるのは特別措置法第十一条第一項ただし書に規定する船員労務供給契約に係る船舶と、同項中第八十七条第一項又は第二項の規定によつて勤務に従事しない期間」とあるのは第八十七条第一項本文又は第二項本文の規定によつて船員労務供給に係る勤務に従事しない期間と、同法第七十五条第一項中十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに五日を加えるとあるのは十五日を基準として国土交通省令で定める日数とすると、同条第二項中十日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに三日(同項ただし書に規定する期間については、一箇月を増すごとに一日)とあるのは十日を基準として国土交通省令で定める日数とし、同項ただし書に規定する期間一箇月を増すごとに一日と、同条第三項中二十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに五日を加えるとあるのは二十五日を基準として国土交通省令で定める日数とすると、同条第四項中十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに三日(同項ただし書に規定する期間については、一箇月を増すごとに一日)とあるのは十五日を基準として国土交通省令で定める日数とし、同項ただし書に規定する期間一箇月を増すごとに一日と、同法第七十八条第一項中並びに国土交通省令の定める手当及び食費とあるのは及び国土交通省令で定める手当と、同法第八十一条第一項中作業用具の整備、船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備その他の船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令で定める事項とあるのは船員労務供給の役務に従事する者の安全及び健康の確保に関し国土交通省令で定める事項と、同法第八十三条第一項中船舶に乗り組ませてはならないとあるのは「船員労務供給の役務に従事させてはならないと、同法第八十七条第一項本文及び第二項本文中船内で使用してはならないとあるのは国土交通省令で定める場合を除き船員労務供給の役務に従事させてはならないと、同法第八十九条第二項中雇入契約存続中とあるのは船員労務供給の役務に従事するために乗船中と、同法第九十五条中船員保険法とあるのは船員保険法(特別措置法第十五条第一項の規定により適用される場合を含む。)と、同法第百一条第一項中、この法律とあるのは、この法律(特別措置法第十四条第一項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)と、船員の労働関係とあるのは船員の労働関係(特別措置法第十四条第四項に規定する労働関係を含む。と、同法第百十三条第一項中労働協約とあるのは特別措置法第十二条第一項の規定により認可を受けた船員労務供給規程、労働協約と、同項及び同条第二項中船内及びその他の事業場内とあるのは事業場内とする。
2 前項の規定により船員法の適用を受ける労働関係に係る労務供給船員が同法第一条第一項に規定する船舶に乗り組んでいる場合には、前項の規定にかかわらず、同法第十章の規定は、当該労働関係については、適用しない。
3 第一項の規定により船員法及び同法に基づいて発する命令の規定を適用する場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。
4 第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係については、労働基準法(第一条から第十一条まで、第百十七条から第百十九条まで及び第百二十一条を除く。)労働災害防止団体法、労働安全衛生法及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の規定は、適用しない。ただし、労働基準法第七条の規定の適用については、当該労働関係に係る労務供給船員が船員労務供給契約に基づく船員労務供給の役務に従事していない場合に限る。
5 第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係に係る労務供給船員は、労働関係調整法、労働組合法、最低賃金法、勤労者財産形成促進法、賃金の支払の確保等に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律並びにこれらの法律に基づいて発する命令の規定の適用については、船員法の適用を受ける船員とみなす。この場合において、必要な技術的読替えは、命令で定める。
6 第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係についての雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の規定の適用に関しては、同法第三十一条第一項中「船員法第八十七条第一項又は第二項の規定によつて作業に従事しなかつたこととあるのは、船員の雇用の促進に関する特別措置法第十四条第一項の規定により読み替えて適用される船員法第八十七条第一項本文又は第二項本文の規定によつて船員労務供給の役務に従事しなかつたこととする。
(船員保険法等の適用に関する特例)
第十五条 前条第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係(同条第二項の規定により同法第十章の規定が適用されない場合における当該労働関係を除く。次条第一項において同じ。)に係る労務供給船員は、船員保険法第二条第一項に規定する船員保険の被保険者(同条第二項に規定する疾病任意継続被保険者を除く。)に含まれるものとして、同法及び同法に基づいて発する命令の規定を適用する。この場合において、同条第一項中船員(以下船員という。)とあるのは船員(労務供給船員(船員の雇用の促進に関する特別措置法(以下特別措置法という。)第十一条第一項に規定する労務供給船員をいう。)を含む。以下船員という。)と、同法第三十三条第三項中船員法第八十九条第二項とあるのは船員法第八十九条第二項(特別措置法第十四条第一項の規定により適用される場合を含む。)と、同法第四十六条第一項中船員法とあるのは船員法(特別措置法第十四条第一項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)と、同法第五十三条第三項第二号及び第六十七条第一項中雇入契約存続中とあるのは「特別措置法第八条第二号に規定する船員労務供給の役務に従事するために乗船中とする。
2 前項の規定により船員保険法及び同法に基づいて発する命令の規定を適用する場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。
3 第一項の規定により船員保険法第二条第一項に規定する船員保険の被保険者(同条第二項に規定する疾病任意継続被保険者を除く。)に含まれるものとされた労務供給船員(次項において「船員保険の被保険者に含まれるものとされた労務供給船員」という。)及びその被扶養者(船員保険法第二条第九項に規定する被扶養者をいう。次項において同じ。)は、国民健康保険法第五条の規定にかかわらず、同条に規定する国民健康保険の被保険者としない。
4 船員保険の被保険者に含まれるものとされた労務供給船員及びその被扶養者は、高齢者の医療の確保に関する法律及び介護保険法並びにこれらの法律に基づいて発する命令の規定の適用については、それぞれ、船員保険法の規定による被保険者及び同法の規定による被扶養者とみなす。この場合において、必要な技術的読替えは、命令で定める。
(厚生年金保険法等の適用に関する特例)
第十六条 第十四条第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係に係る労務供給船員及び船員雇用促進センターは、厚生年金保険法及び同法に基づいて発する命令の規定の適用については、それぞれ、同法第六条第一項第三号に規定する船員及び船舶所有者とみなす。この場合において、同号中使用される者とあるのは使用される者(船員の雇用の促進に関する特別措置法(以下特別措置法という。)第十一条第一項に規定する労務供給船員(以下労務供給船員という。)を除く。)と、以下単に船舶という。)とあるのは以下単に船舶という。)又は労務供給船員を使用する船舶所有者の事業所若しくは事務所と、同法第二十四条の二中船員保険法とあるのは船員保険法(特別措置法第十五条第一項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)と、同法附則第七条の三第一項第三号中船舶とあるのは船舶(労務供給船員にあつては、当該労務供給船員を使用する船舶所有者の事業所又は事務所)とする。
2 前項の場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。
3 第一項の規定により厚生年金保険法第六条第一項第三号に規定する船員とみなされる労務供給船員は、国民年金法等の一部を改正する法律(以下昭和六十年改正法という。)附則第八条第八項、第十二条第一項(第五号に係る部分に限る。)、第四十六条、第四十七条第四項及び第五十二条の規定並びに国民年金法等の一部を改正する法律附則第三十三条の規定の適用については昭和六十年改正法附則第五条第十二号に規定する第三種被保険者と、昭和六十年改正法附則第八十一条第三項の規定の適用については同項に規定する厚生年金保険の被保険者とみなす。
(事業計画等)
第十七条 船員雇用促進センターは、毎事業年度開始前に(第七条第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後速やかに)、事業計画及び収支予算を作成し、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 船員雇用促進センターは、毎事業年度経過後三月以内に、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、国土交通大臣に提出しなければならない。
(役員の選任及び解任)
第十八条 船員雇用促進センターの役員の選任及び解任は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 国土交通大臣は、船員雇用促進センターの役員が、この章の規定、当該規定に基づく命令若しくは処分若しくは第十二条第一項の規定により認可を受けた船員労務供給規程に違反する行為をしたとき、船員雇用促進等事業に関し著しく不適当な行為をしたとき、又はその在任により船員雇用促進センターが第七条第一項第三号若しくは第四号に掲げる要件に適合しなくなるときは、船員雇用促進センターに対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
(秘密の厳守)
第十九条 船員雇用促進センターの船員雇用促進等事業に従事する役員若しくは職員(労務供給船員である者を除く。)又はこれらの職にあつた者は、船員雇用促進等事業に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(補助)
第二十条 国は、予算で定める金額の範囲内において、船員雇用促進センターに対し、船員雇用促進等事業に要する費用の一部を補助することができる。
(監督命令)
第二十一条 国土交通大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、船員雇用促進センターに対し、監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第二十二条 国土交通大臣は、船員雇用促進等事業の適正な運営を確保するために必要な限度において、船員雇用促進センターに対し、船員雇用促進等事業に関し必要な報告をさせ、又はその職員に、船員雇用促進センターの事務所に立ち入り、船員雇用促進等事業の実施状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(指定の取消し等)
第二十三条 国土交通大臣は、船員雇用促進センターが次の各号の一に該当するときは、第七条第一項の指定を取り消し、又は期間を定めて船員雇用促進等事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 船員雇用促進等事業を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
二 この章の規定、当該規定に基づく命令又は第十二条第一項の規定により認可を受けた船員労務供給規程に違反したとき。
三 第十二条第二項、第十八条第二項又は第二十一条の規定による処分に違反したとき。
2 国土交通大臣は、前項の規定により第七条第一項の指定を取り消し、又は船員雇用促進等事業の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
第四章 罰則
第二十四条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
一 第六条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 第二十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第二十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の刑を科する。
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