第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、身体障害者又は知的障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会及び待遇の確保並びに障害者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするための措置、職業リハビリテーションの措置その他障害者がその能力に適合する職業に就くこと等を通じてその職業生活において自立することを促進するための措置を総合的に講じ、もつて障害者の職業の安定を図ることを目的とする。
(用語の意義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。第六号において同じ。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者をいう。
二 身体障害者 障害者のうち、身体障害がある者であつて別表に掲げる障害があるものをいう。
三 重度身体障害者 身体障害者のうち、身体障害の程度が重い者であつて厚生労働省令で定めるものをいう。
四 知的障害者 障害者のうち、知的障害がある者であつて厚生労働省令で定めるものをいう。
五 重度知的障害者 知的障害者のうち、知的障害の程度が重い者であつて厚生労働省令で定めるものをいう。
六 精神障害者 障害者のうち、精神障害がある者であつて厚生労働省令で定めるものをいう。
七 職業リハビリテーション 障害者に対して職業指導、職業訓練、職業紹介その他この法律に定める措置を講じ、その職業生活における自立を図ることをいう。
(基本的理念)
第三条 障害者である労働者は、経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものとする。
第四条 障害者である労働者は、職業に従事する者としての自覚を持ち、自ら進んで、その能力の開発及び向上を図り、有為な職業人として自立するように努めなければならない。
(事業主の責務)
第五条 すべて事業主は、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有するものであつて、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るように努めなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第六条 国及び地方公共団体は、障害者の雇用について事業主その他国民一般の理解を高めるとともに、事業主、障害者その他の関係者に対する援助の措置及び障害者の特性に配慮した職業リハビリテーションの措置を講ずる等障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るために必要な施策を、障害者の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ総合的かつ効果的に推進するように努めなければならない。
(障害者雇用対策基本方針)
第七条 厚生労働大臣は、障害者の雇用の促進及びその職業の安定に関する施策の基本となるべき方針(以下「障害者雇用対策基本方針」という。)を策定するものとする。
2 障害者雇用対策基本方針に定める事項は、次のとおりとする。
一 障害者の就業の動向に関する事項
二 職業リハビリテーションの措置の総合的かつ効果的な実施を図るため講じようとする施策の基本となるべき事項
三 前二号に掲げるもののほか、障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るため講じようとする施策の基本となるべき事項
3 厚生労働大臣は、障害者雇用対策基本方針を定めるに当たつては、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴くほか、都道府県知事の意見を求めるものとする。
4 厚生労働大臣は、障害者雇用対策基本方針を定めたときは、遅滞なく、その概要を公表しなければならない。
5 前二項の規定は、障害者雇用対策基本方針の変更について準用する。
第二章 職業リハビリテーションの推進
第一節 通則
(職業リハビリテーションの原則)
第八条 職業リハビリテーションの措置は、障害者各人の障害の種類及び程度並びに希望、適性、職業経験等の条件に応じ、総合的かつ効果的に実施されなければならない。
2 職業リハビリテーションの措置は、必要に応じ、医学的リハビリテーション及び社会的リハビリテーションの措置との適切な連携の下に実施されるものとする。
第二節 職業紹介等
(求人の開拓等)
第九条 公共職業安定所は、障害者の雇用を促進するため、障害者の求職に関する情報を収集し、事業主に対して当該情報の提供、障害者の雇入れの勧奨等を行うとともに、その内容が障害者の能力に適合する求人の開拓に努めるものとする。
(求人の条件等)
第十条 公共職業安定所は、障害者にその能力に適合する職業を紹介するため必要があるときは、求人者に対して、身体的又は精神的な条件その他の求人の条件について指導するものとする。
2 公共職業安定所は、障害者について職業紹介を行う場合において、求人者から求めがあるときは、その有する当該障害者の職業能力に関する資料を提供するものとする。
(職業指導等)
第十一条 公共職業安定所は、障害者がその能力に適合する職業に就くことができるようにするため、適性検査を実施し、雇用情報を提供し、障害者に適応した職業指導を行う等必要な措置を講ずるものとする。
(障害者職業センターとの連携)
第十二条 公共職業安定所は、前条の適性検査、職業指導等を特に専門的な知識及び技術に基づいて行う必要があると認める障害者については、第十九条第一項に規定する障害者職業センターとの密接な連携の下に当該適性検査、職業指導等を行い、又は当該障害者職業センターにおいて当該適性検査、職業指導等を受けることについてあつせんを行うものとする。
(適応訓練)
第十三条 都道府県は、必要があると認めるときは、求職者である障害者(身体障害者、知的障害者又は精神障害者に限る。次条及び第十五条第二項において同じ。)について、その能力に適合する作業の環境に適応することを容易にすることを目的として、適応訓練を行うものとする。
2 適応訓練は、前項に規定する作業でその環境が標準的なものであると認められるものを行う事業主に委託して実施するものとする。
(適応訓練のあつせん)
第十四条 公共職業安定所は、その雇用の促進のために必要があると認めるときは、障害者に対して、適応訓練を受けることについてあつせんするものとする。
(適応訓練を受ける者に対する措置)
第十五条 適応訓練は、無料とする。
2 都道府県は、適応訓練を受ける障害者に対して、雇用対策法の規定に基づき、手当を支給することができる。
(厚生労働省令への委任)
第十六条 前三条に規定するもののほか、訓練期間その他適応訓練の基準については、厚生労働省令で定める。
(就職後の助言及び指導)
第十七条 公共職業安定所は、障害者の職業の安定を図るために必要があると認めるときは、その紹介により就職した障害者その他事業主に雇用されている障害者に対して、その作業の環境に適応させるために必要な助言又は指導を行うことができる。
(事業主に対する助言及び指導)
第十八条 公共職業安定所は、障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るために必要があると認めるときは、障害者を雇用し、又は雇用しようとする者に対して、雇入れ、配置、作業補助具、作業の設備又は環境その他障害者の雇用に関する技術的事項(次節において障害者の雇用管理に関する事項という。)についての助言又は指導を行うことができる。
第三節 障害者職業センター
(障害者職業センターの設置等の業務)
第十九条 厚生労働大臣は、障害者の職業生活における自立を促進するため、次に掲げる施設(以下障害者職業センターという。)の設置及び運営の業務を行う。
一 障害者職業総合センター
二 広域障害者職業センター
三 地域障害者職業センター
2 厚生労働大臣は、前項に規定する業務の全部又は一部を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下機構という。)に行わせるものとする。
(障害者職業総合センター)
第二十条 障害者職業総合センターは、次に掲げる業務を行う。
一 職業リハビリテーション(職業訓練を除く。第五号イ及び第二十五条第三項を除き、以下この節において同じ。)に関する調査及び研究を行うこと。
二 障害者の雇用に関する情報の収集、分析及び提供を行うこと。
三 第二十四条の障害者職業カウンセラー及び職場適応援助者(身体障害者、知的障害者、精神障害者その他厚生労働省令で定める障害者(以下知的障害者等という。)が職場に適応することを容易にするための援助を行う者をいう。以下同じ。)の養成及び研修を行うこと。
四 広域障害者職業センター、地域障害者職業センター、第二十七条第二項の障害者就業・生活支援センターその他の関係機関に対する職業リハビリテーションに関する技術的事項についての助言、指導その他の援助を行うこと。
五 前各号に掲げる業務に付随して、次に掲げる業務を行うこと。
イ 障害者に対する職業評価(障害者の職業能力、適性等を評価し、及び必要な職業リハビリテーションの措置を判定することをいう。以下同じ。)職業指導、基本的な労働の習慣を体得させるための訓練(第二十二条第一号及び第二十八条第二号において職業準備訓練という。)並びに職業に必要な知識及び技能を習得させるための講習(以下職業講習という。)を行うこと。
ロ 事業主に雇用されている知的障害者等に対する職場への適応に関する事項についての助言又は指導を行うこと。
ハ 事業主に対する障害者の雇用管理に関する事項についての助言その他の援助を行うこと。
六 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(広域障害者職業センター)
第二十一条 広域障害者職業センターは、広範囲の地域にわたり、系統的に職業リハビリテーションの措置を受けることを必要とする障害者に関して、障害者職業能力開発校又は独立行政法人労働者健康安全機構法第十二条第一項第一号に掲げる療養施設その他の厚生労働省令で定める施設との密接な連携の下に、次に掲げる業務を行う。
一 厚生労働省令で定める障害者に対する職業評価、職業指導及び職業講習を系統的に行うこと。
二 前号の措置を受けた障害者を雇用し、又は雇用しようとする事業主に対する障害者の雇用管理に関する事項についての助言その他の援助を行うこと。
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(地域障害者職業センター)
第二十二条 地域障害者職業センターは、都道府県の区域内において、次に掲げる業務を行う。
一 障害者に対する職業評価、職業指導、職業準備訓練及び職業講習を行うこと。
二 事業主に雇用されている知的障害者等に対する職場への適応に関する事項についての助言又は指導を行うこと。
三 事業主に対する障害者の雇用管理に関する事項についての助言その他の援助を行うこと。
四 職場適応援助者の養成及び研修を行うこと。
五 第二十七条第二項の障害者就業・生活支援センターその他の関係機関に対する職業リハビリテーションに関する技術的事項についての助言その他の援助を行うこと。
六 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(名称使用の制限)
第二十三条 障害者職業センターでないものは、その名称中に障害者職業総合センター又は障害者職業センターという文字を用いてはならない。
(障害者職業カウンセラー)
第二十四条 機構は、障害者職業センターに、障害者職業カウンセラーを置かなければならない。
2 障害者職業カウンセラーは、厚生労働大臣が指定する試験に合格し、かつ、厚生労働大臣が指定する講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければならない。
(障害者職業センター相互の連絡及び協力等)
第二十五条 障害者職業センターは、相互に密接に連絡し、及び協力して、障害者の職業生活における自立の促進に努めなければならない。
2 障害者職業センターは、精神障害者について、第二十条第五号、第二十一条第一号若しくは第二号又は第二十二条第一号から第三号までに掲げる業務を行うに当たつては、医師その他の医療関係者との連携に努めるものとする。
3 障害者職業センターは、公共職業安定所の行う職業紹介等の措置、第二十七条第二項の障害者就業・生活支援センターの行う業務並びに職業能力開発促進法第十五条の七第三項の公共職業能力開発施設及び同法第二十七条の職業能力開発総合大学校(第八十三条において公共職業能力開発施設等という。)の行う職業訓練と相まつて、効果的に職業リハビリテーションが推進されるように努めるものとする。
(職業リハビリテーションの措置の無料実施)
第二十六条 障害者職業センターにおける職業リハビリテーションの措置は、無料とするものとする。
第四節 障害者就業・生活支援センター
(指定)
第二十七条 都道府県知事は、職業生活における自立を図るために就業及びこれに伴う日常生活又は社会生活上の支援を必要とする障害者(以下この節において支援対象障害者という。)の職業の安定を図ることを目的とする一般社団法人若しくは一般財団法人、社会福祉法第二十二条に規定する社会福祉法人又は特定非営利活動促進法第二条第二項に規定する特定非営利活動法人その他厚生労働省令で定める法人であつて、次条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。
一 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。
二 前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、支援対象障害者の雇用の促進その他福祉の増進に資すると認められること。
2 都道府県知事は、前項の規定による指定をしたときは、同項の規定による指定を受けた者(以下障害者就業・生活支援センターという。)の名称及び住所並びに事務所の所在地を公示しなければならない。
3 障害者就業・生活支援センターは、その名称及び住所並びに事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4 都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(業務)
第二十八条 障害者就業・生活支援センターは、次に掲げる業務を行うものとする。
一 支援対象障害者からの相談に応じ、必要な指導及び助言を行うとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター、社会福祉施設、医療施設、特別支援学校その他の関係機関との連絡調整その他厚生労働省令で定める援助を総合的に行うこと。
二 支援対象障害者が障害者職業総合センター、地域障害者職業センターその他厚生労働省令で定める事業主により行われる職業準備訓練を受けることについてあつせんすること。
三 前二号に掲げるもののほか、支援対象障害者がその職業生活における自立を図るために必要な業務を行うこと。
(地域障害者職業センターとの関係)
第二十九条 障害者就業・生活支援センターは、地域障害者職業センターの行う支援対象障害者に対する職業評価に基づき、前条第二号に掲げる業務を行うものとする。
(事業計画等)
第三十条 障害者就業・生活支援センターは、毎事業年度、厚生労働省令で定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、都道府県知事に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 障害者就業・生活支援センターは、厚生労働省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書及び収支決算書を作成し、都道府県知事に提出しなければならない。
(監督命令)
第三十一条 都道府県知事は、この節の規定を施行するために必要な限度において、障害者就業・生活支援センターに対し、第二十八条に規定する業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第三十二条 都道府県知事は、障害者就業・生活支援センターが次の各号のいずれかに該当するときは、第二十七条第一項の規定による指定(以下この条において指定という。)を取り消すことができる。
一 第二十八条に規定する業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
二 指定に関し不正の行為があつたとき。
三 この節の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
2 都道府県知事は、前項の規定により、指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
(秘密保持義務)
第三十三条 障害者就業・生活支援センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、第二十八条第一号に掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第二章の二 障害者に対する差別の禁止等
(障害者に対する差別の禁止)
第三十四条 事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者に対して、障害者でない者と均等な機会を与えなければならない。
第三十五条 事業主は、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由として、障害者でない者と不当な差別的取扱いをしてはならない。
(障害者に対する差別の禁止に関する指針)
第三十六条 厚生労働大臣は、前二条の規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するために必要な指針(次項において差別の禁止に関する指針という。)を定めるものとする。
2 第七条第三項及び第四項の規定は、差別の禁止に関する指針の策定及び変更について準用する。この場合において、同条第三項中聴くほか、都道府県知事の意見を求めるとあるのは、聴くと読み替えるものとする。
(雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会の確保等を図るための措置)
第三十六条の二 事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となつている事情を改善するため、労働者の募集及び採用に当たり障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。
第三十六条の三 事業主は、障害者である労働者について、障害者でない労働者との均等な待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となつている事情を改善するため、その雇用する障害者である労働者の障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。
第三十六条の四 事業主は、前二条に規定する措置を講ずるに当たつては、障害者の意向を十分に尊重しなければならない。
2 事業主は、前条に規定する措置に関し、その雇用する障害者である労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
(雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会の確保等に関する指針)
第三十六条の五 厚生労働大臣は、前三条の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において均等な機会の確保等に関する指針という。)を定めるものとする。
2 第七条第三項及び第四項の規定は、均等な機会の確保等に関する指針の策定及び変更について準用する。この場合において、同条第三項中聴くほか、都道府県知事の意見を求めるとあるのは、聴くと読み替えるものとする。
(助言、指導及び勧告)
第三十六条の六 厚生労働大臣は、第三十四条、第三十五条及び第三十六条の二から第三十六条の四までの規定の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、助言、指導又は勧告をすることができる。
第三章 身体障害者又は知的障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等
第一節 身体障害者又は知的障害者の雇用義務等
(身体障害者又は知的障害者の雇用に関する事業主の責務)
第三十七条 すべて事業主は、身体障害者又は知的障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、適当な雇用の場を与える共同の責務を有するものであつて、進んで身体障害者又は知的障害者の雇入れに努めなければならない。
(雇用に関する国及び地方公共団体の義務)
第三十八条 国及び地方公共団体の任命権者(委任を受けて任命権を行う者を除く。以下同じ。)は、職員(当該機関(当該任命権者の委任を受けて任命権を行う者に係る機関を含む。以下同じ。)に常時勤務する職員であつて、警察官、自衛官その他の政令で定める職員以外のものに限る。以下同じ。)の採用について、当該機関に勤務する身体障害者又は知的障害者である職員の数が、当該機関の職員の総数に、第四十三条第二項に規定する障害者雇用率を下回らない率であつて政令で定めるものを乗じて得た数(その数に一人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)未満である場合には、身体障害者又は知的障害者である職員の数がその率を乗じて得た数以上となるようにするため、政令で定めるところにより、身体障害者又は知的障害者の採用に関する計画を作成しなければならない。
2 前項の職員の総数の算定に当たつては、短時間勤務職員(一週間の勤務時間が、当該機関に勤務する通常の職員の一週間の勤務時間に比し短く、かつ、第四十三条第三項の厚生労働大臣の定める時間数未満である常時勤務する職員をいう。以下同じ。)は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の職員に相当するものとみなす。
3 第一項の身体障害者又は知的障害者である職員の数の算定に当たつては、身体障害者又は知的障害者である短時間勤務職員は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の身体障害者又は知的障害者である職員に相当するものとみなす。
4 第一項の身体障害者又は知的障害者である職員の数の算定に当たつては、重度身体障害者又は重度知的障害者である職員(短時間勤務職員を除く。)は、その一人をもつて、政令で定める数の身体障害者又は知的障害者である職員に相当するものとみなす。
5 第一項の身体障害者又は知的障害者である職員の数の算定に当たつては、第三項の規定にかかわらず、重度身体障害者又は重度知的障害者である短時間勤務職員は、その一人をもつて、前項の政令で定める数に満たない範囲内において厚生労働省令で定める数の身体障害者又は知的障害者である職員に相当するものとみなす。
(採用状況の通報等)
第三十九条 国及び地方公共団体の任命権者は、政令で定めるところにより、前条第一項の計画及びその実施状況を厚生労働大臣に通報しなければならない。
2 厚生労働大臣は、特に必要があると認めるときは、前条第一項の計画を作成した国及び地方公共団体の任命権者に対して、その適正な実施に関し、勧告をすることができる。
(任免に関する状況の通報)
第四十条 国及び地方公共団体の任命権者は、毎年一回、政令で定めるところにより、当該機関における身体障害者又は知的障害者である職員の任免に関する状況を厚生労働大臣に通報しなければならない。
(国に勤務する職員に関する特例)
第四十一条 省庁(内閣府設置法第四十九条第一項に規定する機関又は国家行政組織法第三条第二項に規定する省若しくは庁をいう。以下同じ。)で、当該省庁の任命権者及び当該省庁に置かれる外局等(内閣府設置法第四十九条第二項に規定する機関、国家行政組織法第三条第二項に規定する委員会若しくは庁又は同法第八条の三に規定する特別の機関をいう。以下同じ。)の任命権者の申請に基づいて、一体として身体障害者又は知的障害者である職員の採用の促進を図ることができるものとして厚生労働大臣の承認を受けたもの(以下承認省庁という。)に係る第三十八条第一項及び前条の規定の適用については、当該外局等に勤務する職員は当該承認省庁のみに勤務する職員と、当該外局等は当該承認省庁とみなす。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による承認をした後において、承認省庁若しくは外局等が廃止されたとき、又は承認省庁若しくは外局等における身体障害者若しくは知的障害者である職員の採用の促進を図ることができなくなつたと認めるときは、当該承認を取り消すことができる。
(地方公共団体に勤務する職員に関する特例)
第四十二条 地方公共団体の機関で、当該機関の任命権者及び当該機関以外の地方公共団体の機関(以下その他機関という。)の任命権者の申請に基づいて当該機関及び当該その他機関について次に掲げる基準に適合する旨の厚生労働大臣の認定を受けたもの(以下認定地方機関という。)に係る第三十八条第一項及び第四十条の規定の適用については、当該その他機関に勤務する職員は当該認定地方機関のみに勤務する職員と、当該その他機関は当該認定地方機関とみなす。
一 当該認定地方機関と当該その他機関との人的関係が緊密であること。
二 当該認定地方機関及び当該その他機関において、身体障害者又は知的障害者である職員の採用の促進が確実に達成されると認められること。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による認定をした後において、認定地方機関若しくはその他機関が廃止されたとき、又は前項各号に掲げる基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該認定を取り消すことができる。
(一般事業主の雇用義務等)
第四十三条 事業主(常時雇用する労働者(以下単に労働者という。)を雇用する事業主をいい、国及び地方公共団体を除く。次章を除き、以下同じ。)は、厚生労働省令で定める雇用関係の変動がある場合には、その雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数が、その雇用する労働者の数に障害者雇用率を乗じて得た数(その数に一人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。第四十六条第一項において法定雇用障害者数という。)以上であるようにしなければならない。
2 前項の障害者雇用率は、労働者(労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、安定した職業に就くことができない状態にある者を含む。第五十四条第三項において同じ。)の総数に対する身体障害者又は知的障害者である労働者(労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、安定した職業に就くことができない状態にある身体障害者及び知的障害者を含む。第五十四条第三項において同じ。)の総数の割合を基準として設定するものとし、少なくとも五年ごとに、当該割合の推移を勘案して政令で定める。
3 第一項の身体障害者又は知的障害者である労働者の数及び前項の身体障害者又は知的障害者である労働者の総数の算定に当たつては、身体障害者又は知的障害者である短時間労働者(一週間の所定労働時間が、当該事業主の事業所に雇用する通常の労働者の一週間の所定労働時間に比し短く、かつ、厚生労働大臣の定める時間数未満である常時雇用する労働者をいう。以下同じ。)は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなす。
4 第一項の身体障害者又は知的障害者である労働者の数及び第二項の身体障害者又は知的障害者である労働者の総数の算定に当たつては、重度身体障害者又は重度知的障害者である労働者(短時間労働者を除く。)は、その一人をもつて、政令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなす。
5 第一項の身体障害者又は知的障害者である労働者の数及び第二項の身体障害者又は知的障害者である労働者の総数の算定に当たつては、第三項の規定にかかわらず、重度身体障害者又は重度知的障害者である短時間労働者は、その一人をもつて、前項の政令で定める数に満たない範囲内において厚生労働省令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなす。
6 第二項の規定にかかわらず、特殊法人(法律により直接に設立された法人、特別の法律により特別の設立行為をもつて設立された法人又は特別の法律により地方公共団体が設立者となつて設立された法人のうち、その資本金の全部若しくは大部分が国若しくは地方公共団体からの出資による法人又はその事業の運営のために必要な経費の主たる財源を国若しくは地方公共団体からの交付金若しくは補助金によつて得ている法人であつて、政令で定めるものをいう。以下同じ。)に係る第一項の障害者雇用率は、第二項の規定による率を下回らない率であつて政令で定めるものとする。
7 事業主(その雇用する労働者の数が常時厚生労働省令で定める数以上である事業主に限る。)は、毎年一回、厚生労働省令で定めるところにより、身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用に関する状況を厚生労働大臣に報告しなければならない。
8 第一項及び前項の雇用する労働者の数並びに第二項の労働者の総数の算定に当たつては、短時間労働者は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の労働者に相当するものとみなす。
(子会社に雇用される労働者に関する特例)
第四十四条 特定の株式会社(第四十五条の三第一項の認定に係る組合員たる事業主であるものを除く。)と厚生労働省令で定める特殊の関係のある事業主で、当該事業主及び当該株式会社(以下子会社という。)の申請に基づいて当該子会社について次に掲げる基準に適合する旨の厚生労働大臣の認定を受けたもの(以下親事業主という。)に係る前条第一項及び第七項の規定の適用については、当該子会社が雇用する労働者は当該親事業主のみが雇用する労働者と、当該子会社の事業所は当該親事業主の事業所とみなす。
一 当該子会社の行う事業と当該事業主の行う事業との人的関係が緊密であること。
二 当該子会社が雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数及びその数の当該子会社が雇用する労働者の総数に対する割合が、それぞれ、厚生労働大臣が定める数及び率以上であること。
三 当該子会社がその雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものであること。
四 前二号に掲げるもののほか、当該子会社の行う事業において、当該子会社が雇用する重度身体障害者又は重度知的障害者その他の身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用の促進及びその雇用の安定が確実に達成されると認められること。
2 前項第二号の労働者の総数の算定に当たつては、短時間労働者は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の労働者に相当するものとみなす。
3 第一項第二号の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定に当たつては、身体障害者又は知的障害者である短時間労働者は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなす。
4 厚生労働大臣は、第一項の規定による認定をした後において、親事業主が同項に定める特殊の関係についての要件を満たさなくなつたとき若しくは事業を廃止したとき、又は当該認定に係る子会社について同項各号に掲げる基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該認定を取り消すことができる。
第四十五条 親事業主であつて、特定の株式会社(当該親事業主の子会社及び第四十五条の三第一項の認定に係る組合員たる事業主であるものを除く。)と厚生労働省令で定める特殊の関係にあるもので、当該親事業主、当該子会社及び当該株式会社(以下関係会社という。)の申請に基づいて当該親事業主及び当該関係会社について次に掲げる基準に適合する旨の厚生労働大臣の認定を受けたものに係る第四十三条第一項及び第七項の規定の適用については、当該関係会社が雇用する労働者は当該親事業主のみが雇用する労働者と、当該関係会社の事業所は当該親事業主の事業所とみなす。
一 当該関係会社の行う事業と当該子会社の行う事業との人的関係若しくは営業上の関係が緊密であること、又は当該関係会社が当該子会社に出資していること。
二 当該親事業主が第七十八条第一項各号に掲げる業務を担当する者を同項の規定により選任しており、かつ、その者が当該子会社及び当該関係会社についても同項第一号に掲げる業務を行うこととしていること。
三 当該親事業主が、自ら雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者並びに当該子会社及び当該関係会社に雇用される身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用の促進及び雇用の安定を確実に達成することができると認められること。
2 関係会社が、前条第一項又は次条第一項の認定を受けたものである場合は、前項の申請をすることができない。
3 前条第四項の規定は、第一項の場合について準用する。
(関係子会社に雇用される労働者に関する特例)
第四十五条の二 事業主であつて、当該事業主及びそのすべての子会社の申請に基づいて当該事業主及び当該申請に係る子会社(以下関係子会社という。)について次に掲げる基準に適合する旨の厚生労働大臣の認定を受けたもの(以下関係親事業主という。)に係る第四十三条第一項及び第七項の規定の適用については、当該関係子会社が雇用する労働者は当該関係親事業主のみが雇用する労働者と、当該関係子会社の事業所は当該関係親事業主の事業所とみなす。
一 当該事業主が第七十八条第一項各号に掲げる業務を担当する者を同項の規定により選任しており、かつ、その者が当該関係子会社についても同項第一号に掲げる業務を行うこととしていること。
二 当該事業主が、自ら雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者及び当該関係子会社に雇用される身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用の促進及び雇用の安定を確実に達成することができると認められること。
三 当該関係子会社が雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数が、厚生労働大臣が定める数以上であること。
四 当該関係子会社がその雇用する身体障害者若しくは知的障害者である労働者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有し、又は他の関係子会社が雇用する身体障害者若しくは知的障害者である労働者の行う業務に関し、その行う事業と当該他の関係子会社の行う事業との人的関係若しくは営業上の関係が緊密であること。
2 関係子会社が第四十四条第一項又は前条第一項の認定を受けたものである場合については、これらの規定にかかわらず、当該子会社又は当該関係会社を関係子会社とみなして、前項(第三号及び第四号を除く。)の規定を適用する。
3 事業主であつて、その関係子会社に第一項の認定を受けたものがあるものは、同項の認定を受けることができない。
4 第一項第三号の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定に当たつては、身体障害者又は知的障害者である短時間労働者は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなす。
5 第一項第三号の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定に当たつては、重度身体障害者又は重度知的障害者である労働者(短時間労働者を除く。)は、その一人をもつて、政令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなす。
6 第一項第三号の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定に当たつては、第四項の規定にかかわらず、重度身体障害者又は重度知的障害者である短時間労働者は、その一人をもつて、前項の政令で定める数に満たない範囲内において厚生労働省令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなす。
7 第四十四条第四項の規定は、第一項の場合について準用する。
(特定事業主に雇用される労働者に関する特例)
第四十五条の三 事業協同組合等であつて、当該事業協同組合等及び複数のその組合員たる事業主(その雇用する労働者の数が常時第四十三条第七項の厚生労働省令で定める数以上である事業主に限り、第四十四条第一項、第四十五条第一項、前条第一項又はこの項の認定に係る子会社、関係会社、関係子会社又は組合員たる事業主であるものを除く。以下特定事業主という。)の申請に基づいて当該事業協同組合等及び当該特定事業主について次に掲げる基準に適合する旨の厚生労働大臣の認定を受けたもの(以下「特定組合等」という。)に係る第四十三条第一項及び第七項の規定の適用については、当該特定事業主が雇用する労働者は当該特定組合等のみが雇用する労働者と、当該特定事業主の事業所は当該特定組合等の事業所とみなす。
一 当該事業協同組合等が自ら雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者が行う業務に関し、当該事業協同組合等の行う事業と当該特定事業主の行う事業との人的関係又は営業上の関係が緊密であること。
二 当該事業協同組合等の定款、規約その他これらに準ずるものにおいて、当該事業協同組合等が第五十三条第一項の障害者雇用納付金を徴収された場合に、特定事業主の身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用状況に応じて当該障害者雇用納付金に係る経費を特定事業主に賦課する旨の定めがあること。
三 当該事業協同組合等が、自ら雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者及び当該特定事業主に雇用される身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用の促進及び雇用の安定に関する事業(第三項において雇用促進事業という。)を適切に実施するための計画(以下この号及び同項において実施計画という。)を作成し、実施計画に従つて、当該身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用の促進及び雇用の安定を確実に達成することができると認められること。
四 当該事業協同組合等が自ら雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数及びその数の当該事業協同組合等が雇用する労働者の総数に対する割合が、それぞれ、厚生労働大臣が定める数及び率以上であること。
五 当該事業協同組合等が自ら雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものであること。
六 当該特定事業主が雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数が、厚生労働大臣が定める数以上であること。
2 この条において事業協同組合等とは、事業協同組合その他の特別の法律により設立された組合であつて厚生労働省令で定めるものをいう。
3 実施計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 雇用促進事業の目標(事業協同組合等及び特定事業主がそれぞれ雇用しようとする身体障害者又は知的障害者である労働者の数に関する目標を含む。)
二 雇用促進事業の内容
三 雇用促進事業の実施時期
4 特定事業主が、第四十四条第一項、前条第一項又は第一項の認定を受けたものである場合は、同項の申請をすることができない。
5 第四十三条第八項の規定は、第一項の雇用する労働者の数及び同項第四号の労働者の総数の算定について準用する。
6 前条第四項の規定は第一項第四号の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定について、同条第四項から第六項までの規定は第一項第六号の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定について準用する。
7 厚生労働大臣は、第一項の規定による認定をした後において、当該認定に係る事業協同組合等及び特定事業主について同項各号に掲げる基準に適合しなくなつたと認めるときは、当該認定を取り消すことができる。
(一般事業主の身体障害者又は知的障害者の雇入れに関する計画)
第四十六条 厚生労働大臣は、身体障害者又は知的障害者の雇用を促進するため必要があると認める場合には、その雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数が法定雇用障害者数未満である事業主(特定組合等及び前条第一項の認定に係る特定事業主であるものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の数がその法定雇用障害者数以上となるようにするため、厚生労働省令で定めるところにより、身体障害者又は知的障害者の雇入れに関する計画の作成を命ずることができる。
2 第四十五条の二第四項から第六項までの規定は、前項の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定について準用する。
3 親事業主又は関係親事業主に係る第一項の規定の適用については、当該子会社及び当該関係会社が雇用する労働者は当該親事業主のみが雇用する労働者と、当該関係子会社が雇用する労働者は当該関係親事業主のみが雇用する労働者とみなす。
4 事業主は、第一項の計画を作成したときは、厚生労働省令で定めるところにより、これを厚生労働大臣に提出しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
5 厚生労働大臣は、第一項の計画が著しく不適当であると認めるときは、当該計画を作成した事業主に対してその変更を勧告することができる。
6 厚生労働大臣は、特に必要があると認めるときは、第一項の計画を作成した事業主に対して、その適正な実施に関し、勧告をすることができる。
(一般事業主についての公表)
第四十七条 厚生労働大臣は、前条第一項の計画を作成した事業主が、正当な理由がなく、同条第五項又は第六項の勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
(特定身体障害者)
第四十八条 国及び地方公共団体の任命権者は、特定職種(労働能力はあるが、別表に掲げる障害の程度が重いため通常の職業に就くことが特に困難である身体障害者の能力にも適合すると認められる職種で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)の職員(短時間勤務職員を除く。以下この項及び第三項において同じ。)の採用について、当該機関に勤務する特定身体障害者(身体障害者のうち特定職種ごとに政令で定める者に該当する者をいう。以下この条において同じ。)である当該職種の職員の数が、当該機関に勤務する当該職種の職員の総数に、職種に応じて政令で定める特定身体障害者雇用率を乗じて得た数(その数に一人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)未満である場合には、特定身体障害者である当該職種の職員の数がその特定身体障害者雇用率を乗じて得た数以上となるようにするため、政令で定めるところにより、特定身体障害者の採用に関する計画を作成しなければならない。
2 第三十九条の規定は、前項の計画について準用する。
3 承認省庁又は認定地方機関に係る第一項の規定の適用については、当該外局等又は当該その他機関に勤務する職員は、当該承認省庁又は当該認定地方機関のみに勤務する職員とみなす。
4 事業主は、特定職種の労働者(短時間労働者を除く。以下この項及び次項において同じ。)の雇入れについては、その雇用する特定身体障害者である当該職種の労働者の数が、その雇用する当該職種の労働者の総数に、職種に応じて厚生労働省令で定める特定身体障害者雇用率を乗じて得た数(その数に一人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)以上であるように努めなければならない。
5 厚生労働大臣は、特定身体障害者の雇用を促進するため特に必要があると認める場合には、その雇用する特定身体障害者である特定職種の労働者の数が前項の規定により算定した数未満であり、かつ、その数を増加するのに著しい困難を伴わないと認められる事業主(その雇用する当該職種の労働者の数が職種に応じて厚生労働省令で定める数以上であるものに限る。)に対して、特定身体障害者である当該職種の労働者の数が同項の規定により算定した数以上となるようにするため、厚生労働省令で定めるところにより、特定身体障害者の雇入れに関する計画の作成を命ずることができる。
6 親事業主、関係親事業主又は特定組合等に係る前二項の規定の適用については、当該子会社及び当該関係会社が雇用する労働者は当該親事業主のみが雇用する労働者と、当該関係子会社が雇用する労働者は当該関係親事業主のみが雇用する労働者と、当該特定事業主が雇用する労働者は当該特定組合等のみが雇用する労働者とみなす。
7 第四十六条第四項及び第五項の規定は、第五項の計画について準用する。
第二節 障害者雇用調整金の支給等及び障害者雇用納付金の徴収
第一款 障害者雇用調整金の支給等
(納付金関係業務)
第四十九条 厚生労働大臣は、身体障害者又は知的障害者の雇用に伴う経済的負担の調整並びにその雇用の促進及び継続を図るため、次に掲げる業務(以下納付金関係業務という。)を行う。
一 事業主(特殊法人を除く。以下この節及び第五節において同じ。)で次条第一項の規定に該当するものに対して、同項の障害者雇用調整金を支給すること。
二 身体障害者若しくは知的障害者を労働者として雇い入れる事業主又は身体障害者若しくは知的障害者である労働者を雇用する事業主に対して、これらの者の雇入れ又は雇用の継続のために必要となる施設又は設備の設置又は整備に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
三 身体障害者又は知的障害者である労働者を雇用する事業主又は当該事業主の加入している事業主の団体に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の福祉の増進を図るための施設の設置又は整備に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
四 身体障害者又は知的障害者である労働者を雇用する事業主であつて、次のいずれかを行うものに対して、その要する費用に充てるための助成金を支給すること。
イ 身体障害者となつた労働者の雇用の継続のために必要となる当該労働者が職場に適応することを容易にするための措置
ロ 身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用に伴い必要となる介助その他その雇用の安定を図るために必要な業務(身体障害者又は知的障害者である労働者の通勤を容易にするための業務を除く。)を行う者を置くこと(次号ロに掲げるものを除く。)。
四の二 身体障害者又は知的障害者に対する職場適応援助者による援助であつて、次のいずれかを行う者に対して、その要する費用に充てるための助成金を支給すること。
イ 社会福祉法第二十二条に規定する社会福祉法人その他身体障害者又は知的障害者の雇用の促進に係る事業を行う法人が行う職場適応援助者による援助の事業
ロ 身体障害者又は知的障害者である労働者を雇用する事業主が身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用に伴い必要となる援助を行う職場適応援助者を置くこと。
五 身体障害者(重度身体障害者その他の厚生労働省令で定める身体障害者に限る。以下この号において同じ。)若しくは知的障害者である労働者を雇用する事業主又は当該事業主の加入している事業主の団体に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の通勤を容易にするための措置に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
六 重度身体障害者又は知的障害者である労働者を多数雇用する事業所の事業主に対して、当該事業所の事業の用に供する施設又は設備の設置又は整備に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
七 身体障害者又は知的障害者の職業に必要な能力を開発し、及び向上させるための教育訓練(厚生労働大臣が定める基準に適合するものに限る。以下この号において同じ。)の事業を行う次に掲げるものに対して、当該事業に要する費用に充てるための助成金を支給すること並びに身体障害者又は知的障害者である労働者を雇用する事業主に対して、身体障害者又は知的障害者である労働者の教育訓練の受講を容易にするための措置に要する費用に充てるための助成金を支給すること。
イ 事業主又はその団体
ロ 学校教育法第百二十四条に規定する専修学校又は同法第百三十四条第一項に規定する各種学校を設置する私立学校法第三条に規定する学校法人又は同法第六十四条第四項に規定する法人
ハ 社会福祉法第二十二条に規定する社会福祉法人
ニ その他身体障害者又は知的障害者の雇用の促進に係る事業を行う法人
八 障害者の技能に関する競技大会に係る業務を行うこと。
九 身体障害者若しくは知的障害者の雇用に関する技術的事項についての研究、調査若しくは講習の業務又は身体障害者若しくは知的障害者の雇用について事業主その他国民一般の理解を高めるための啓発の業務を行うこと(前号に掲げる業務を除く。)。
十 第五十三条第一項に規定する障害者雇用納付金の徴収を行うこと。
十一 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 厚生労働大臣は、前項各号に掲げる業務の全部又は一部を機構に行わせるものとする。
(障害者雇用調整金の支給)
第五十条 機構は、政令で定めるところにより、各年度(四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)ごとに、第五十四条第二項に規定する調整基礎額に当該年度に属する各月(当該年度の中途に事業を開始し、又は廃止した事業主にあつては、当該事業を開始した日の属する月の翌月以後の各月又は当該事業を廃止した日の属する月の前月以前の各月に限る。以下同じ。)ごとの初日におけるその雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数の合計数を乗じて得た額が同条第一項の規定により算定した額を超える事業主に対して、その差額に相当する額を当該調整基礎額で除して得た数を単位調整額に乗じて得た額に相当する金額を、当該年度分の障害者雇用調整金(以下調整金という。)として支給する。
2 前項の単位調整額は、事業主がその雇用する労働者の数に第五十四条第三項に規定する基準雇用率を乗じて得た数を超えて新たに身体障害者又は知的障害者である者を雇用するものとした場合に当該身体障害者又は知的障害者である者一人につき通常追加的に必要とされる一月当たりの同条第二項に規定する特別費用の額の平均額を基準として、政令で定める金額とする。
3 第四十三条第八項の規定は、前項の雇用する労働者の数の算定について準用する。
4 第四十五条の二第四項から第六項までの規定は第一項の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定について、第四十八条第六項の規定は親事業主、関係親事業主又は特定組合等に係る第一項の規定の適用について準用する。
5 親事業主、関係親事業主又は特定組合等に係る第一項の規定の適用については、機構は、厚生労働省令で定めるところにより、当該親事業主、当該子会社若しくは当該関係会社、当該関係親事業主若しくは当該関係子会社又は当該特定組合等若しくは当該特定事業主に対して調整金を支給することができる。
6 第二項から前項までに定めるもののほか、法人である事業主が合併した場合又は個人である事業主について相続(包括遺贈を含む。第六十八条において同じ。)があつた場合における調整金の額の算定の特例その他調整金に関し必要な事項は、政令で定める。
(助成金の支給)
第五十一条 機構は、厚生労働省令で定める支給要件、支給額その他の支給の基準に従つて第四十九条第一項第二号から第七号までの助成金を支給する。
2 前項の助成金の支給については、身体障害者又は知的障害者の職業の安定を図るため講じられるその他の措置と相まつて、身体障害者又は知的障害者の雇用が最も効果的かつ効率的に促進され、及び継続されるように配慮されなければならない。
(資料の提出等)
第五十二条 機構は、第四十九条第一項第十号に掲げる業務に関して必要な限度において、事業主に対し、身体障害者又は知的障害者である労働者の雇用の状況その他の事項についての文書その他の物件の提出を求めることができる。
2 機構は、納付金関係業務に関し必要があると認めるときは、事業主、その団体、第四十九条第一項第四号の二イに規定する法人又は同項第七号ロからニまでに掲げる法人(第八十二条第一項において事業主等という。)に対し、必要な事項についての報告を求めることができる。
第二款 障害者雇用納付金の徴収
(障害者雇用納付金の徴収及び納付義務)
第五十三条 機構は、第四十九条第一項第一号の調整金及び同項第二号から第七号までの助成金の支給に要する費用、同項第八号及び第九号の業務の実施に要する費用並びに同項各号に掲げる業務に係る事務の処理に要する費用に充てるため、この款に定めるところにより、事業主から、毎年度、障害者雇用納付金(以下納付金という。)を徴収する。
2 事業主は、納付金を納付する義務を負う。
(納付金の額等)
第五十四条 事業主が納付すべき納付金の額は、各年度につき、調整基礎額に、当該年度に属する各月ごとにその初日におけるその雇用する労働者の数に基準雇用率を乗じて得た数(その数に一人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)の合計数を乗じて得た額とする。
2 前項の調整基礎額は、事業主がその雇用する労働者の数に基準雇用率を乗じて得た数に達するまでの数の身体障害者又は知的障害者である者を雇用するものとした場合に当該身体障害者又は知的障害者である者一人につき通常必要とされる一月当たりの特別費用(身体障害者又は知的障害者である者を雇用する場合に必要な施設又は設備の設置又は整備その他の身体障害者又は知的障害者である者の適正な雇用管理に必要な措置に通常要する費用その他身体障害者又は知的障害者である者を雇用するために特別に必要とされる費用をいう。)の額の平均額を基準として、政令で定める金額とする。
3 前二項の基準雇用率は、労働者の総数に対する身体障害者又は知的障害者である労働者の総数の割合を基準として設定するものとし、少なくとも五年ごとに、当該割合の推移を勘案して政令で定める。
4 第四十三条第八項の規定は、第一項及び第二項の雇用する労働者の数並びに前項の労働者の総数の算定について準用する。
5 第四十五条の二第四項から第六項までの規定は第三項の身体障害者又は知的障害者である労働者の総数の算定について、第四十八条第六項の規定は親事業主、関係親事業主又は特定組合等に係る第一項の規定の適用について準用する。
第五十五条 前条第一項の場合において、当該事業主が当該年度において身体障害者又は知的障害者である労働者を雇用しており、かつ、同条第二項に規定する調整基礎額に当該年度に属する各月ごとの初日における当該事業主の雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数の合計数を乗じて得た額が同条第一項の規定により算定した額に達しないときは、当該事業主が納付すべき納付金の額は、同項の規定にかかわらず、その差額(第七十四条の二第四項及び第五項において算定額という。)に相当する金額とする。
2 前条第一項の場合において、当該事業主が当該年度において身体障害者又は知的障害者である労働者を雇用しており、かつ、同条第二項に規定する調整基礎額に当該年度に属する各月ごとの初日における当該事業主の雇用する身体障害者又は知的障害者である労働者の数の合計数を乗じて得た額が同条第一項の規定により算定した額以上であるときは、当該事業主については、同項の規定にかかわらず、納付金は、徴収しない。
3 第四十五条の二第四項から第六項までの規定は前二項の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定について、第四十八条第六項の規定は親事業主、関係親事業主又は特定組合等に係る前二項の規定の適用について準用する。
(納付金の納付等)
第五十六条 事業主は、各年度ごとに、当該年度に係る納付金の額その他の厚生労働省令で定める事項を記載した申告書を翌年度の初日(当該年度の中途に事業を廃止した事業主にあつては、当該事業を廃止した日)から四十五日以内に機構に提出しなければならない。
2 事業主は、前項の申告に係る額の納付金を、同項の申告書の提出期限までに納付しなければならない。
3 第一項の申告書には、当該年度に属する各月ごとの初日における各事業所ごとの労働者の数及び身体障害者又は知的障害者である労働者の数その他の厚生労働省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
4 機構は、事業主が第一項の申告書の提出期限までに同項の申告書を提出しないとき、又は同項の申告書の記載に誤りがあると認めたときは、納付金の額を決定し、事業主に納入の告知をする。
5 前項の規定による納入の告知を受けた事業主は、第一項の申告書を提出していないとき(納付すべき納付金の額がない旨の記載をした申告書を提出しているときを含む。)は前項の規定により機構が決定した額の納付金の全額を、第一項の申告に係る納付金の額が前項の規定により機構が決定した納付金の額に足りないときはその不足額を、その通知を受けた日から十五日以内に機構に納付しなければならない。
6 事業主が納付した納付金の額が、第四項の規定により機構が決定した納付金の額を超える場合には、機構は、その超える額について、未納の納付金その他この款の規定による徴収金があるときはこれに充当し、なお残余があれば還付し、未納の納付金その他この款の規定による徴収金がないときはこれを還付しなければならない。
7 第四十八条第六項の規定は、親事業主、関係親事業主又は特定組合等に係る第一項、第三項及び第四項の規定の適用について準用する。この場合において、同条第六項中とみなすとあるのは、と、当該子会社及び当該関係会社の事業所は当該親事業主の事業所と、当該関係子会社の事業所は当該関係親事業主の事業所と、当該特定事業主の事業所は当該特定組合等の事業所とみなすと読み替えるものとする。
(納付金の延納)
第五十七条 機構は、厚生労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、当該事業主の納付すべき納付金を延納させることができる。
(追徴金)
第五十八条 機構は、事業主が第五十六条第五項の規定による納付金の全額又はその不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)に百分の十を乗じて得た額の追徴金を徴収する。ただし、事業主が天災その他やむを得ない理由により、同項の規定による納付金の全額又はその不足額を納付しなければならなくなつた場合は、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する納付金の全額又はその不足額が千円未満であるときは、同項の規定による追徴金は、徴収しない。
3 機構は、第一項の規定により追徴金を徴収する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、事業主に対して、期限を指定して、その納付すべき追徴金の額を通知しなければならない。
(徴収金の督促及び滞納処分)
第五十九条 納付金その他この款の規定による徴収金を納付しない者があるときは、機構は、期限を指定して督促しなければならない。
2 前項の規定により督促するときは、機構は、納付義務者に対して督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
3 第一項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに納付金その他この款の規定による徴収金を完納しないときは、機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、国税滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。
(延滞金)
第六十条 前条第一項の規定により納付金の納付を督促したときは、機構は、その督促に係る納付金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納付期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。ただし、督促に係る納付金の額が千円未満であるときは、この限りでない。
2 前項の場合において、納付金の額の一部につき納付があつたときは、その納付の日以降の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる納付金の額は、その納付のあつた納付金の額を控除した額とする。
3 延滞金の計算において、前二項の納付金の額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
4 前三項の規定によつて計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
5 延滞金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、徴収しない。ただし、第四号の場合には、その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る。
一 督促状に指定した期限までに納付金を完納したとき。
二 納付義務者の住所又は居所がわからないため、公示送達の方法によつて督促したとき。
三 延滞金の額が百円未満であるとき。
四 納付金について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき。
五 納付金を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき。
(先取特権の順位)
第六十一条 納付金その他この款の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
(徴収金の徴収手続等)
第六十二条 納付金その他この款の規定による徴収金は、この款に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収する。
(時効)
第六十三条 納付金その他この款の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
2 機構が行う納付金その他この款の規定による徴収金の納入の告知又は第五十九条第一項の規定による督促は、民法第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を生ずる。
(徴収金の帰属)
第六十四条 機構が徴収した納付金その他この款の規定による徴収金は、機構の収入とする。
(徴収金の徴収に関する不服申立て)
第六十五条 納付金その他この款の規定による徴収金の賦課又は徴収の処分について不服がある者は、厚生労働大臣に対して行政不服審査法(による審査請求をすることができる。
(不服申立てと訴訟との関係)
第六十六条 前条に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する厚生労働大臣の裁決を経た後でなければ、提起することができない。
(行政手続法の適用除外)
第六十七条 納付金その他この款の規定による徴収金の賦課又は徴収の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。
(政令への委任)
第六十八条 この款に定めるもののほか、法人である事業主が合併した場合又は個人である事業主について相続があつた場合における納付金の額の算定の特例その他この款に定める納付金その他の徴収金に関し必要な事項は、政令で定める。
第三節 精神障害者に関する特例
(雇用義務等及び納付金関係業務に係る規定の適用に関する特例)
第六十九条 精神障害者のうち精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第四十五条第二項の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者(第七十三条、次節及び第七十九条を除き、以下精神障害者という。)である職員及び精神障害者である労働者については、この条から第七十二条までに定めるところにより、身体障害者又は知的障害者である職員及び身体障害者又は知的障害者である労働者に関する前二節(第三十七条、第三十八条第三項から第五項まで、第四十三条第二項から第六項まで、第四十四条第三項、第四十五条の二第四項から第六項まで(第四十五条の三第六項、第四十六条第二項、第五十条第四項、第五十四条第五項及び第五十五条第三項において準用する場合を含む。)、第四十八条、第四十九条第一項第二号から第九号まで、第五十条第二項並びに第五十四条第二項及び第三項を除く。)の規定を適用するものとする。
(雇用義務等に係る規定の精神障害者である職員についての適用に関する特例)
第七十条 第三十八条第一項に規定する場合において、当該機関に精神障害者である職員が勤務するときにおける同項の規定の適用については、同項の計画の作成前に、当該機関の任命権者が身体障害者又は知的障害者である職員以外の職員に替えて当該精神障害者である職員の数に相当する数(精神障害者である短時間勤務職員にあつては、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数に相当する数)の身体障害者又は知的障害者である職員を採用したものとみなす。
2 国及び地方公共団体の任命権者は、第三十八条第一項の身体障害者又は知的障害者の採用に関する計画を作成し、又は実施する場合においては、精神障害者である職員の採用は身体障害者又は知的障害者である職員の採用に含まれるものとして、当該作成又は実施をすることができる。
3 第四十条の規定の適用については、精神障害者である職員は、身体障害者又は知的障害者である職員とみなす。
4 第四十一条及び第四十二条第一項の規定の適用については、第四十一条第一項及び第四十二条第一項第二号中又は知的障害者である職員とあるのは、知的障害者又は第六十九条に規定する精神障害者である職員と、第四十一条第二項中若しくは知的障害者である職員とあるのは、知的障害者若しくは第六十九条に規定する精神障害者である職員とする。
(雇用義務等に係る規定の精神障害者である労働者についての適用に関する特例)
第七十一条 第四十三条第一項の場合において、当該事業主が精神障害者である労働者を雇用しているときにおける同項の規定の適用については、当該雇用関係の変動がある時に、当該事業主が身体障害者又は知的障害者である労働者以外の労働者に替えて当該精神障害者である労働者の数に相当する数(精神障害者である短時間労働者にあつては、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数に相当する数)の身体障害者又は知的障害者である労働者を雇い入れたものとみなす。
2 第四十三条第七項の規定の適用については、精神障害者である労働者は、身体障害者又は知的障害者である労働者とみなす。
3 第四十四条第一項、第四十五条第一項、第四十五条の二第一項並びに第四十五条の三第一項及び第三項の規定の適用については、精神障害者である労働者は、第四十四条第一項第二号、第四十五条の二第一項第三号並びに第四十五条の三第一項第四号及び第六号において身体障害者又は知的障害者である労働者とみなし、これらの規定の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定に当たつては、精神障害者である短時間労働者は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなし、第四十四条第一項第三号及び第四号、第四十五条第一項第三号、第四十五条の二第一項第二号並びに第四十五条の三第一項(第四号及び第六号を除く。)及び第三項第一号中又は知的障害者である労働者とあるのは、知的障害者又は第六十九条に規定する精神障害者である労働者と、第四十五条の二第一項第四号中若しくは知的障害者である労働者とあるのは、知的障害者若しくは第六十九条に規定する精神障害者である労働者とする。
4 第四十六条第一項の規定の適用については、精神障害者である労働者は、身体障害者又は知的障害者である労働者とみなし、同項の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定に当たつては、精神障害者である短時間労働者は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなす。
5 事業主は、第四十六条第一項の身体障害者又は知的障害者の雇入れに関する計画を作成し、又は実施する場合においては、精神障害者の雇入れは身体障害者又は知的障害者の雇入れに含まれるものとして、当該作成又は実施をすることができる。
(精神障害者である労働者に関する納付金関係業務の実施等)
第七十二条 第五十条第一項並びに第五十五条第一項及び第二項の規定の適用については、精神障害者である労働者は、身体障害者又は知的障害者である労働者とみなし、これらの規定の身体障害者又は知的障害者である労働者の数の算定に当たつては、精神障害者である短時間労働者は、その一人をもつて、厚生労働省令で定める数の身体障害者又は知的障害者である労働者に相当するものとみなす。
2 第五十二条第一項及び第五十六条第三項の規定(第五十二条第一項に係る罰則の規定を含む。)の適用については、精神障害者である労働者は、身体障害者又は知的障害者である労働者とみなす。
(精神障害者に関する助成金の支給業務の実施等)
第七十三条 厚生労働大臣は、精神障害者である労働者に関しても、第四十九条第一項第二号から第九号まで及び第十一号に掲げる業務に相当する業務を行うことができる。
2 厚生労働大臣は、前項に規定する業務の全部又は一部を機構に行わせるものとする。
3 前項の場合においては、当該業務は、第四十九条第一項第二号から第九号まで及び第十一号に掲げる業務に含まれるものとみなして、第五十一条及び第五十三条の規定を適用する。この場合において、第五十一条第二項中身体障害者又は知的障害者とあるのは、身体障害者、知的障害者又は精神障害者」とする。
第四節 身体障害者、知的障害者及び精神障害者以外の障害者に関する特例
第七十四条 厚生労働大臣は、障害者(身体障害者、知的障害者及び精神障害者を除く。)のうち厚生労働省令で定める者に関しても、第四十九条第一項第二号から第九号まで及び第十一号に掲げる業務であつて厚生労働省令で定めるものに相当する業務を行うことができる。
2 厚生労働大臣は、前項に規定する業務の全部又は一部を機構に行わせるものとする。
3 前項の場合においては、当該業務は、第四十九条第一項第二号から第九号まで及び第十一号に掲げる業務に含まれるものとみなして、第五十一条及び第五十三条の規定を適用する。
第五節 障害者の在宅就業に関する特例
(在宅就業障害者特例調整金)
第七十四条の二 厚生労働大臣は、在宅就業障害者の就業機会の確保を支援するため、事業主で次項の規定に該当するものに対して、同項の在宅就業障害者特例調整金を支給する業務を行うことができる。
2 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、各年度ごとに、在宅就業障害者との間で書面により在宅就業契約を締結した事業主(次条第一項に規定する在宅就業支援団体を除く。以下この節において同じ。)であつて、在宅就業障害者に在宅就業契約に基づく業務の対価を支払つたものに対して、調整額に、当該年度に支払つた当該対価の総額(以下対象額という。)を評価額で除して得た数(その数に一未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)を乗じて得た額に相当する金額を、当該年度分の在宅就業障害者特例調整金として支給する。ただし、在宅就業単位調整額に当該年度に属する各月ごとの初日における当該事業主の雇用する身体障害者、知的障害者又は精神障害者である労働者の数の合計数を乗じて得た額に相当する金額を超えることができない。
3 この節、第四章、第五章及び附則第四条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 在宅就業障害者 身体障害者、知的障害者又は精神障害者であつて、自宅その他厚生労働省令で定める場所において物品の製造、役務の提供その他これらに類する業務を自ら行うもの(雇用されている者を除く。)
二 在宅就業契約 在宅就業障害者が物品の製造、役務の提供その他これらに類する業務を行う旨の契約
三 在宅就業単位調整額 第五十条第二項に規定する単位調整額以下の額で政令で定める額
四 調整額 在宅就業単位調整額に評価基準月数(在宅就業障害者の就業機会の確保に資する程度その他の状況を勘案して政令で定める月数をいう。以下同じ。)を乗じて得た額
五 評価額 障害者である労働者の平均的な給与の状況その他の状況を勘案して政令で定める額に評価基準月数を乗じて得た額
4 第五十五条第一項の場合において、当該事業主が当該年度において在宅就業障害者に在宅就業契約に基づく業務の対価を支払つており、かつ、第二項の規定により算定した在宅就業障害者特例調整金の額が算定額に達しないときは、当該事業主が納付すべき納付金の額は、同条第一項の規定にかかわらず、その差額に相当する金額とする。この場合においては、当該事業主については、第二項の規定にかかわらず、在宅就業障害者特例調整金は支給しない。
5 第五十五条第一項の場合において、当該事業主が当該年度において在宅就業障害者に在宅就業契約に基づく業務の対価を支払つており、かつ、第二項の規定により算定した在宅就業障害者特例調整金の額が算定額以上であるときは、同項の規定にかかわらず、当該事業主に対して、その差額に相当する金額を、当該年度分の在宅就業障害者特例調整金として支給する。この場合においては、当該事業主については、同条第一項の規定にかかわらず、納付金は徴収しない。
6 厚生労働大臣は、第一項に規定する業務の全部又は一部を機構に行わせるものとする。
7 機構は、第一項に規定する業務に関し必要があると認めるときは、事業主又は在宅就業障害者に対し、必要な事項についての報告を求めることができる。
8 第六項の場合における第五十三条の規定の適用については、同条第一項中「並びに同項各号に掲げる業務」とあるのは、「、第七十四条の二第一項の在宅就業障害者特例調整金の支給に要する費用並びに第四十九条第一項各号に掲げる業務及び第七十四条の二第一項に規定する業務」とする。
9 親事業主、関係親事業主又は特定組合等に係る第二項、第四項及び第五項並びに第五十六条第一項及び第四項の規定の適用については、在宅就業契約に基づく業務の対価として在宅就業障害者に対して支払つた額に関し、当該子会社及び当該関係会社が支払つた額は当該親事業主のみが支払つた額と、当該関係子会社が支払つた額は当該関係親事業主のみが支払つた額と、当該特定事業主が支払つた額は当該特定組合等のみが支払つた額とみなす。
10 第四十五条の二第四項から第六項までの規定は第二項の身体障害者、知的障害者又は精神障害者である労働者の数の算定について、第五十条第五項及び第六項の規定は第一項の在宅就業障害者特例調整金について準用する。この場合において、第四十五条の二第四項中又は知的障害者である労働者のとあるのは、知的障害者又は第六十九条に規定する精神障害者である労働者のと、又は知的障害者である短時間労働者とあるのは、知的障害者又は同条に規定する精神障害者である短時間労働者と読み替えるものとする。
(在宅就業支援団体)
第七十四条の三 各年度ごとに、事業主に在宅就業対価相当額(事業主が厚生労働大臣の登録を受けた法人(以下在宅就業支援団体という。)との間で締結した物品の製造、役務の提供その他これらに類する業務に係る契約に基づき当該事業主が在宅就業支援団体に対して支払つた金額のうち、当該契約の履行に当たり在宅就業支援団体が在宅就業障害者との間で締結した在宅就業契約に基づく業務の対価として支払つた部分の金額に相当する金額をいう。以下同じ。)があるときは、その総額を当該年度の対象額に加算する。この場合において、前条の規定の適用については、同条第二項中当該対価の総額とあるのは「当該対価の総額と次条第一項に規定する在宅就業対価相当額の総額とを合計した額と、同条第九項中に関し、とあるのはに関しと、とみなすとあるのはと、当該子会社及び当該関係会社に係る次条第一項に規定する在宅就業対価相当額(以下この項において在宅就業対価相当額という。)は当該親事業主のみに係る在宅就業対価相当額と、当該関係子会社に係る在宅就業対価相当額は当該関係親事業主のみに係る在宅就業対価相当額と、当該特定事業主に係る在宅就業対価相当額は当該特定組合等のみに係る在宅就業対価相当額とみなすとする。
2 前項の登録は、在宅就業障害者の希望に応じた就業の機会を確保し、及び在宅就業障害者に対して組織的に提供することその他の在宅就業障害者に対する援助の業務を行う法人の申請により行う。
3 次の各号のいずれかに該当する法人は、第一項の登録を受けることができない。
一 この法律の規定その他労働に関する法律の規定であつて政令で定めるもの又は出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第七十三条の二第一項の規定及び同項の規定に係る同法第七十六条の二の規定により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない法人
二 第十八項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない法人
三 役員のうちに、禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定その他労働に関する法律の規定であつて政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第五十条(第二号に係る部分に限る。)及び第五十二条の規定を除く。)により、若しくは刑法第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは出入国管理及び難民認定法第七十三条の二第一項の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者のある法人
4 厚生労働大臣は、第二項の規定により登録を申請した法人が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、厚生労働省令で定める。
一 常時十人以上の在宅就業障害者に対して、次に掲げる業務のすべてを継続的に実施していること。
イ 在宅就業障害者の希望に応じた就業の機会を確保し、及び在宅就業障害者に対して組織的に提供すること。
ロ 在宅就業障害者に対して、その業務を適切に行うために必要な知識及び技能を習得するための職業講習又は情報提供を行うこと。
ハ 在宅就業障害者に対して、その業務を適切に行うために必要な助言その他の援助を行うこと。
ニ 雇用による就業を希望する在宅就業障害者に対して、必要な助言その他の援助を行うこと。
二 前号イからニまでに掲げる業務(以下実施業務という。)の対象である障害者に係る障害に関する知識及び当該障害に係る障害者の援助を行う業務に従事した経験並びに在宅就業障害者に対して提供する就業の機会に係る業務の内容に関する知識を有する者(次号において従事経験者という。)が実施業務を実施し、その人数が二人以上であること。
三 前号に掲げる者のほか、実施業務を適正に行うための専任の管理者(従事経験者である者に限る。)が置かれていること。
四 実施業務を行うために必要な施設及び設備を有すること。
5 登録は、在宅就業支援団体登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 在宅就業支援団体の名称及び住所並びにその代表者の氏名
三 在宅就業支援団体が在宅就業障害者に係る業務を行う事業所の所在地
6 第一項の登録は、三年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
7 第二項から第五項までの規定は、前項の登録の更新について準用する。
8 在宅就業支援団体は、物品の製造、役務の提供その他これらに類する業務に係る契約に基づき事業主から対価の支払を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主に対し、在宅就業対価相当額を証する書面を交付しなければならない。
9 在宅就業支援団体は、前項に定めるもののほか、第四項各号に掲げる要件及び厚生労働省令で定める基準に適合する方法により在宅就業障害者に係る業務を行わなければならない。
10 在宅就業支援団体は、第五項第二号又は第三号に掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
11 在宅就業支援団体は、在宅就業障害者に係る業務に関する規程(次項において業務規程という。)を定め、当該業務の開始前に、厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
12 業務規程には、在宅就業障害者に係る業務の実施方法その他の厚生労働省令で定める事項を定めておかなければならない。
13 在宅就業支援団体は、在宅就業障害者に係る業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
14 在宅就業支援団体は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下財務諸表等という。)を作成し、五年間事業所に備えて置かなければならない。
15 在宅就業障害者その他の利害関係人は、在宅就業支援団体の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、在宅就業支援団体の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
16 厚生労働大臣は、在宅就業支援団体が第四項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該在宅就業支援団体に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
17 厚生労働大臣は、在宅就業支援団体が第九項の規定に違反していると認めるときは、当該在宅就業支援団体に対し、在宅就業障害者に係る業務を行うべきこと又は当該業務の実施の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
18 厚生労働大臣は、在宅就業支援団体が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて在宅就業障害者に係る業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第三項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
二 第八項、第十項から第十四項まで又は次項の規定に違反したとき。
三 正当な理由がないのに第十五項各号の規定による請求を拒んだとき。
四 前二項の規定による命令に違反したとき。
五 不正の手段により第一項の登録を受けたとき。
19 在宅就業支援団体は、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え、在宅就業障害者に係る業務に関し厚生労働省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
20 機構は、第一項において読み替えて適用する前条第二項の場合における同条第一項の業務に関し必要があると認めるときは、事業主、在宅就業障害者又は在宅就業支援団体に対し、必要な事項についての報告を求めることができる。
21 在宅就業支援団体は、毎年一回、厚生労働省令で定めるところにより、在宅就業障害者に係る業務に関し厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。
22 厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 第一項の登録をしたとき。
二 第十項の規定による届出があつたとき。
三 第十三項の規定による届出があつたとき。
四 第十八項の規定により第一項の登録を取り消し、又は在宅就業障害者に係る業務の停止を命じたとき。
第三章の二 紛争の解決
第一節 紛争の解決の援助
(苦情の自主的解決)
第七十四条の四 事業主は、第三十五条及び第三十六条の三に定める事項に関し、障害者である労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関(事業主を代表する者及び当該事業所の労働者を代表する者を構成員とする当該事業所の労働者の苦情を処理するための機関をいう。)に対し当該苦情の処理を委ねる等その自主的な解決を図るように努めなければならない。
(紛争の解決の促進に関する特例)
第七十四条の五 第三十四条、第三十五条、第三十六条の二及び第三十六条の三に定める事項についての障害者である労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第四条、第五条及び第十二条から第十九条までの規定は適用せず、次条から第七十四条の八までに定めるところによる。
(紛争の解決の援助)
第七十四条の六 都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
2 事業主は、障害者である労働者が前項の援助を求めたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
第二節 調停
(調停の委任)
第七十四条の七 都道府県労働局長は、第七十四条の五に規定する紛争(労働者の募集及び採用についての紛争を除く。)について、当該紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があつた場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第六条第一項の紛争調整委員会に調停を行わせるものとする。
2 前条第二項の規定は、障害者である労働者が前項の申請をした場合について準用する。
(調停)
第七十四条の八 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第十九条、第二十条第一項及び第二十一条から第二十六条までの規定は、前条第一項の調停の手続について準用する。この場合において、同法第十九条第一項中前条第一項とあるのは障害者の雇用の促進等に関する法律第七十四条の七第一項と、同法第二十条第一項中関係当事者とあるのは関係当事者又は障害者の医療に関する専門的知識を有する者その他の参考人と、同法第二十五条第一項中第十八条第一項とあるのは障害者の雇用の促進等に関する法律第七十四条の七第一項と読み替えるものとする。
第四章 雑則
(障害者の雇用の促進等に関する研究等)
第七十五条 国は、障害者の能力に適合する職業、その就業上必要な作業設備及び作業補助具その他障害者の雇用の促進及びその職業の安定に関し必要な事項について、調査、研究及び資料の整備に努めるものとする。
(障害者の雇用に関する広報啓発)
第七十六条 国及び地方公共団体は、障害者の雇用を妨げている諸要因の解消を図るため、障害者の雇用について事業主その他国民一般の理解を高めるために必要な広報その他の啓発活動を行うものとする。
第七十七条 削除
(障害者雇用推進者)
第七十八条 事業主は、その雇用する労働者の数が常時第四十三条第七項の厚生労働省令で定める数以上であるときは、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる業務を担当する者を選任するように努めなければならない。
一 障害者の雇用の促進及びその雇用の継続を図るために必要な施設又は設備の設置又は整備その他の諸条件の整備を図るための業務
二 第四十三条第七項の規定による報告及び第八十一条第一項の規定による届出を行う業務
三 第四十六条第一項の規定による命令を受けたとき、又は同条第五項若しくは第六項の規定による勧告を受けたときは、当該命令若しくは勧告に係る国との連絡に関する業務又は同条第一項の計画の作成及び当該計画の円滑な実施を図るための業務
2 第四十三条第八項の規定は、前項の雇用する労働者の数の算定について準用する。
(障害者職業生活相談員)
第七十九条 事業主は、厚生労働省令で定める数以上の障害者(身体障害者、知的障害者及び精神障害者(厚生労働省令で定める者に限る。以下この項において同じ。)に限る。以下この項及び第八十一条において同じ。)である労働者を雇用する事業所においては、その雇用する労働者であつて、厚生労働大臣が行う講習(以下この条において資格認定講習という。)を修了したものその他厚生労働省令で定める資格を有するもののうちから、厚生労働省令で定めるところにより、障害者職業生活相談員を選任し、その者に当該事業所に雇用されている障害者である労働者の職業生活に関する相談及び指導を行わせなければならない。
2 厚生労働大臣は、資格認定講習に関する業務の全部又は一部を、第四十九条第一項第九号に掲げる業務として機構に行わせることができる。
(障害者である短時間労働者の待遇に関する措置)
第八十条 事業主は、その雇用する障害者である短時間労働者が、当該事業主の雇用する労働者の所定労働時間労働すること等の希望を有する旨の申出をしたときは、当該短時間労働者に対し、その有する能力に応じた適切な待遇を行うように努めなければならない。
(解雇の届出)
第八十一条 事業主は、障害者である労働者を解雇する場合(労働者の責めに帰すべき理由により解雇する場合その他厚生労働省令で定める場合を除く。)には、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を公共職業安定所長に届け出なければならない。
2 前項の届出があつたときは、公共職業安定所は、同項の届出に係る障害者である労働者について、速やかに求人の開拓、職業紹介等の措置を講ずるように努めるものとする。
(報告等)
第八十二条 厚生労働大臣又は公共職業安定所長は、この法律を施行するため必要な限度において、厚生労働省令で定めるところにより、事業主等、在宅就業障害者又は在宅就業支援団体に対し、障害者の雇用の状況その他の事項についての報告を命じ、又はその職員に、事業主等若しくは在宅就業支援団体の事業所若しくは在宅就業障害者が業務を行う場所に立ち入り、関係者に対して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件の検査をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(連絡及び協力)
第八十三条 公共職業安定所、機構、障害者就業・生活支援センター、公共職業能力開発施設等、社会福祉法に定める福祉に関する事務所、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第六条第一項に規定する精神保健福祉センターその他の障害者に対する援護の機関等の関係機関及び関係団体は、障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るため、相互に、密接に連絡し、及び協力しなければならない。
(権限の委任)
第八十四条 この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
2 前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができる。
(厚生労働省令への委任)
第八十五条 この法律に規定するもののほか、この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、厚生労働省令で定める。
(船員に関する特例)
第八十五条の二 第七十四条の八の規定は、船員職業安定法第六条第一項に規定する船員及び同項に規定する船員になろうとする者(次項において船員等という。)に関しては、適用しない。
2 船員等に関しては、第三十六条第一項、第三十六条の五第一項、第三十六条の六及び第八十四条第一項中厚生労働大臣とあるのは国土交通大臣と、第三十六条第二項及び第三十六条の五第二項中同条第三項中とあるのは同条第三項及び第四項中厚生労働大臣とあるのは国土交通大臣と、同条第三項中労働政策審議会とあるのは交通政策審議会と、と、第七十四条の五中から第七十四条の八までとあるのは、第七十四条の七及び第八十五条の二第三項と、第七十四条の六第一項、第七十四条の七第一項及び第八十四条第一項中都道府県労働局長とあるのは地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)と、第七十四条の七第一項中第六条第一項の紛争調整委員会とあるのは第二十一条第三項のあつせん員候補者名簿に記載されている者のうちから指名する調停員と、第八十二条第一項中厚生労働大臣又は公共職業安定所長とあるのは「国土交通大臣と、事業主等、在宅就業障害者又は在宅就業支援団体とあるのは事業主と、事業主等若しくは在宅就業支援団体の事業所若しくは在宅就業障害者が業務を行う場所とあるのは事業主の事業所と、同項、第八十四条第一項及び前条中厚生労働省令とあるのは国土交通省令とする。
3 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第二十条第一項、第二十一条から第二十六条まで並びに第三十一条第三項及び第四項の規定は、前項の規定により読み替えて適用する第七十四条の七第一項の規定により指名を受けて調停員が行う調停について準用する。この場合において、同法第二十条第一項、第二十一条から第二十三条まで及び第二十六条中委員会はとあるのは調停員はと、同項中関係当事者とあるのは関係当事者又は障害者の医療に関する専門的知識を有する者その他の参考人と、同法第二十一条中当該委員会が置かれる都道府県労働局とあるのは当該調停員を指名した地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)が置かれる地方運輸局(運輸監理部を含む。)と、同法第二十五条第一項中第十八条第一項とあるのは障害者の雇用の促進等に関する法律第七十四条の七第一項」と、同法第二十六条中当該委員会に係属しているとあるのは当該調停員が取り扱つていると、同法第三十一条第三項中前項とあるのは障害者の雇用の促進等に関する法律第七十四条の七第一項と読み替えるものとする。
(適用除外)
第八十五条の三 第三十四条から第三十六条まで、第三十六条の六及び前章の規定は、国家公務員及び地方公務員に、第三十六条の二から第三十六条の五までの規定は、一般職の国家公務員(行政執行法人の労働関係に関する法律第二条第二号の職員を除く。)、裁判所職員臨時措置法の適用を受ける裁判所職員、国会職員法の適用を受ける国会職員及び自衛隊法第二条第五項に規定する隊員に関しては、適用しない。
第五章 罰則
第八十五条の四 第七十四条の三第十八項の規定による業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした在宅就業支援団体の役員又は職員は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第八十六条 事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、三十万円以下の罰金に処する。
一 第四十三条第七項、第五十二条第二項、第七十四条の二第七項又は第七十四条の三第二十項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
二 第四十六条第一項の規定による命令に違反して身体障害者若しくは知的障害者の雇入れに関する計画を作成せず、又は同条第四項の規定に違反して当該計画を提出しなかつたとき。
三 第五十二条第一項の規定による文書その他の物件の提出をせず、又は虚偽の記載をした文書の提出をしたとき。
四 第八十一条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
五 第八十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第八十六条の二 事業主の団体、第四十九条第一項第四号の二イに規定する法人又は同項第七号ロからニまでに掲げる法人が次の各号のいずれかに該当するときは、三十万円以下の罰金に処する。
一 第五十二条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
二 第八十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第八十六条の三 在宅就業支援団体が次の各号のいずれかに該当するときは、三十万円以下の罰金に処する。
一 第七十四条の三第二十項又は第二十一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
二 第七十四条の三第八項の規定による書面の交付をせず、又は虚偽の記載をした書面の交付をしたとき。
三 第七十四条の三第十三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
四 第七十四条の三第十九項の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
五 第八十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第八十七条 法人(法人でない事業主の団体を含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第八十五条の四から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
2 前項の規定により法人でない事業主の団体を処罰する場合においては、その代表者が訴訟行為につきその団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第八十八条 第三十三条の規定に違反した者は、二十万円以下の過料に処する。
第八十九条 第五十九条第三項の規定により厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたときは、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
第八十九条の二 第七十四条の三第十四項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第十五項各号の規定による請求を拒んだ在宅就業支援団体は、二十万円以下の過料に処する。
第九十条 第二十三条の規定に違反したもの(法人その他の団体であるときは、その代表者)は、十万円以下の過料に処する。
第九十一条 在宅就業障害者が次の各号のいずれかに該当するときは、五万円以下の過料に処する。
一 第七十四条の二第七項又は第七十四条の三第二十項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
二 第八十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
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